
そもそも日月神示って何?

神典研究家の岡本天明が、神様の言葉を自動書記で記した書物のことです。
- 日月神示の概要と特徴
- 日月神示を日常生活に生かす方法
- 日月神示の予言を読んで不安になった場合の対処法
日月神示とは?

日月神示(ひつきしんじ)は、神典研究家で画家、神職でもあった岡本天明が、「天之日津久神」という神様の言葉を自動書記で書き記した書物です。自動書記とは、意識的な思考を介さず、手が自然に動いて文字を書き綴る現象を指します。
「天之日津久神」にはさまざまな別名があり、研究家の間では「古事記」や「日本書紀」に登場する日本神話の神・国常立尊(国之常立神)ではないかと言われています。
また、神示で天之日津久神自身も「天之日津久神はひとりの神というわけではなく、役所の窓口のようなものなので、色々な神が言葉を伝えることがある」と述べているため、複数の神による言葉と捉える見方もあります。

実際、「第十七巻 地震の巻」だけは他の巻と文体が全く違うので、複数の神様の言葉と考えたほうが自然かもしれません。
岡本天明は第二次世界大戦中の1944年、千葉県の麻賀多神社を訪れた際に、国常立尊による自動書記を初めて経験します。その後、1961年までの約17年間に渡り、日月神示を書き続けたとされています。
日月神示の内容は、予言や日常生活の指針、霊的世界の解説など多岐に渡ります。戦時中から戦後にかけての激動の時代に記述されたため、第二次世界大戦の行方や日本の未来についての記述が多いのが特徴です。
日月神示は和製スピリチュアルの名著として、何十年も多くの人に影響を与えてきました。キリスト教の「黙示録」のような、世界の終わりを連想させるセンセーショナルな予言が多いことから、現在も注目されています。
しかし、当サイトでは日月神示にも書かれている「ネガティブな予言にとらわれるのではなく、自分の心と体を磨きながら今を生きるのが大切」という教えに基づき、予言ではなく日常の指針に焦点を当てて解説していきます。

ネガティブな内容に過剰に反応しないようにしたいですね。
日月神示の特徴

日月神示は読み解くのが非常に難しい書物だと言われています。独特の文体や8通りの読み方、人間だけでなく神様に向けて書かれた書物であることも難易度を上げています。
予言や日常の教え、霊界案内など内容が多岐に渡る
日月神示には未来の予言や日常生活での心構え、さらには「人間は死後どうなるのか」「どんな世界に行くのか」といった内容が含まれています。
予言においては第二次世界大戦中に書かれたこともあり、日本の敗北やその後の復興を予言していたというエピソードは有名です。
また、予言だけでなく日常生活における心の持ち方や行動の指針、霊的な世界の構造についても詳しく述べられています。

マンガにもしていますが、「自分の悪癖を直すことが重要」といった耳が痛くなる内容や、「食べるときは腹八分目にする」といった実践的な健康法も多いです。
人だけでなく神や守護霊に対しても書かれる
日月神示は人間だけでなく、神々や守護霊に対しても書かれています。人間に訴えかけるのと同時に、高級神霊である「国常立尊」から他の神々・守護霊への伝達も含まれているのです。
日月神示 五十黙示録 第四巻「龍音の巻」第一帖より
この五十黙示の七巻は神、人共に与えたもの、一巻から続いたものぞ。同じ意を持つものが、天国にもあるのであるぞ。合わせて三十巻。これで岩戸までの筆の終わりぞ。前に出した、黄金の巻からの七巻は、人民に与えたものであるぞ。
現在発表されている日月神示は本巻38巻と補巻1巻の計39巻ですが、そのうち三十巻は神と人に与えたもの、黄金の巻からの七巻は人にのみ書かれたものと記されています。

「黄金の巻からの七巻は人民に与えたもの」とある通り、黄金の巻からの七巻は比較的読みやすく、日常に反映させやすいのでスピリチュアル初心者にもおすすめです。
読み方は8通りある
日月神示の原文は、漢数字や記号、ひらがなが入り混じった文体であり、そのままでは読み解くことができません。自動書記をした岡本天明自身も読むことができなかったため、当時の研究者や霊能者たちが解読し、現在の内容になりました。
しかし、神示内で「8通りの読み方ができる」と書かれているため、現在読める内容は8通りの読み方のうちの一つということになります。日月神示を現代語に翻訳したものは「一二三(ひふみ)」または「一二三(ひふみ)神示」と呼ばれ、現在もさまざまな出版社から発行されています。
特定の宗教に偏らない教え
ここまで読んで、「神様が出てくるけど、日月神示は宗教なの?」と思われた方もいるかもしれません。日月神示は神道との関係が深い書物ですが、特定の宗教との繋がりはなく、「仏やキリストなど、神道以外の神を祭ってもよい」としています。
日月神示 補巻「月光の巻」第十九帖より
釈迦、キリスト、マホメット、その他世界の命ある教祖及びその指導神を、御光の大神様と称え奉れと申してあろが。大日月地大神様の一つの現れぞと申してあろが。なぜに御光の大神様として斎祭らんのぢゃ。
神道が基盤としてあるものの、特定の宗教とは関係のないスピリチュアルな書物であると言えるでしょう。
日月神示を日常生活に生かす5つの方法

日月神示には、私たちの精神的な成長や日常生活に役立つ教えが含まれています。具体的な活用法について見ていきましょう。
①日常生活の指針とする
日月神示には、日々生きる上で大切にしたい教えが詰まっています。他者へ思いやりを持つこと、感謝の心を忘れないこと、日々の仕事をしっかり果たすこと。どれも当たり前に思えて、忙しい生活の中で忘れがちな教訓です。
特に自分の心に響く教訓を日々思い返すことで、仕事や人間関係の悩みが解決されていくでしょう。

日月神示の一節を毎日読んだり、気になった言葉をメモしたりすると、より心に刻むことができます。
②身魂を磨くための道しるべとする
日月神示では魂(身魂)を磨くための具体的な方法や心構えを教えています。教えを読んで自分の内面を見つめ直し、悪習慣やネガティブな思考を改めることが推奨されています。
他人や世の中を恨むことを辞めたり、困難なときでも前向きに取り組むといった教訓を実践することで、魂を磨き、より高い精神性を目指すことができるでしょう。
③音読をする
日月神示は「読むだけで身魂が磨かれる」とされる書ですが、音読すると自身を守っている守護神にも内容が伝わり、さらに良い影響があると言われています。
日月神示には美しい和歌や詩も含まれているため、音読することで言葉のリズムや響きを体感し、内容をより深く理解できるでしょう。

黙読でも音読でも、読めば読むほど身魂が磨かれ(波動が上がり)ますが、一度にたくさん読むとその分自分の巡り(カルマ)も一気に返ってくる可能性があるので、気になる方は毎日少しずつ読むと良いかもしれません。
④死後の世界に対して理解を深める
日月神示では「第十七巻 地震の巻」を中心に、死後の世界に関する記述が多く含まれています。死後の世界について学ぶことは、死に対する不安や恐怖を和らげたり、今生きている意味を再確認したりするきっかけとなるかもしれません。
➄予言書として読む
日月神示は予言書としての側面も持ち、過去には第二次世界大戦での日本の敗北とその後の復興を予言してきました。
ただし、日月神示にはネガティブな予言も多いので、取り扱いには注意が必要です。神示には何度も「キがすべての元となる」という言葉が出てきます。これはスピリチュアル界で知られている「引き寄せの法則」と同じで、現在思っていることが未来の現実になる仕組みを表しています。

「未来は恐ろしいことが起こる」と思い続けていれば、引き寄せの法則により実現してしまうかもしれません。
そもそも本来予言の役割は、今を生きる人に対する「警告」です。予言を知った多くの人が本来の生き方に目覚め、より良い世界を作ろうと動いた結果、最終的には予言が外れる(=本来の役目を果たす)ことが望まれています。
よって、予言を現在に生かすためには「ネガティブな内容にとらわれない」「そんな未来も可能性としてあると知った上で、より良い未来のために行動する」ことが求められます。
日月神示 第九巻「キの巻」 第九帖より
悪いこと待つは悪魔ぞ。いつ立て替え、大峠が来るかと待つ心は、悪魔に使われているのざぞ。
日月神示 第十巻「水の巻」 第十帖より
富士はいつ爆発するのざ、どこへ逃げたら助かるのぞという心、我よしぞ。どこにいても救う者は救うと申してあろが。悪き待つキは悪魔のキざぞ。

しかし、頭ではわかっていても、未来が不安になるときはありますよね。そんな場合の対処法を次の項目で紹介します。
大峠は来る?不安な場合にできること
日月神示には、「大峠(おおとうげ)」と呼ばれる大きな試練や変革の時期が予言されています。この大峠が本当に訪れるのか、そして不安を感じるときに私たちにできることを考えてみましょう。
過去の予言と実際に起きた内容
日月神示が過去に知らせていた予言は、地震災害やバブル崩壊、リーマンショック、食糧危機などを連想させる箇所もあります。しかし、日月神示の予言は抽象的なものが多く、解釈も多様にできることから、すべてが具体的な出来事と一致するわけではありません。
そのため、予言をそのまま受け取るのではなく、「この予言の真意は、人々にこういう行動をしてほしいということだ」と読み解くことが重要です。
大難を小難にしてもらうよう祈る
大峠のような大きな試練に直面する可能性があるとき、私たちにできることの一つは「大難を小難に」してもらうよう願うことです。
日月神示 第十巻「水の巻」 第十五帖より
富士、火吐かぬよう、拝みてくれ五。大難小難にまつり変えるよう、拝みてくれよ。
日月神示 第二十二巻「青葉の巻」 第十六帖より
筆で知らしただけで得心して改心できれば、大難は小難となるのぢゃ。やらねばならん。
戦は碁、将棋くらいの戦で済むのぢゃぞ。人民の心次第、行い次第で、空まで変わると申してあろがな。この道理よく心得なさりて、神の申すこと分からいでも、無理と思うことも貫きてくだされよ。それがまことぢゃ。
キがすべての元となるのなら、未来に対して明るい視点を持つことで「大難は小難となる」と考えられます。

「戦は碁、将棋くらいの戦で済む」未来を引き寄せたいですね。
また、それ以外に神示で推奨していることとして、世界平和を祈ることがあります。現在の日本は世界的に見るとまだまだ平和であり、世界には戦争や飢餓、災害や環境破壊などで苦しむ人が多くいます。
そんな世界で生きる私たちがすべきなのは、自分だけ・日本だけが助かればいい(=我よし)という気持ちを捨てること、世界平和を祈ること、可能であれば寄付や慈善活動といった行動に移すことではないでしょうか。
「そこまでスケールの大きなことは考えられない」という場合も、周囲の人へ思いやりや感謝の気持ちを持ったり、精神的な成長をしたりすることで、自分に降りかかる「大難を小難に」できるかもしれません。

「何よりも大切なのは自分の悪い癖を直すこと」とある通り、予言にとらわれて自分を見失うのではなく、常に自分を顧みる姿勢を忘れずにいたいですね。
日月神示の概要や特徴を知り日常生活に生かそう
自動書記という神秘的な成り立ちと、数々の予言で現在も注目を集める日月神示。自身の成長を促してくれる書として読むことで、真の力を発揮してくれるでしょう。自分に降りかかる「大難を小難にする」ためにも、日月神示の教えを生かしながら日々を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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